はじめて車を持つ人には必要な手続きがたくさんありますよね。その中の一つが自動車保険です。
はじめて車を手にした人の中には、
「自動車保険って難しそう」
「自動車保険にはどうやって入ったらいいんだろう」
こんな不安や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、損害保険会社に20年勤務した私が、自動車保険の基礎知識やどんな時に役立つのかを解説しています。
はじめて自動車保険のことを考える人でも、保険の基礎から入り方までが分かるようになるでしょう。自動車保険に事前に入っておけば、万が一のことを心配せずに、安心して車のある生活を楽しむことができますよ。
自動車保険の役割や重要性
自動車保険には、
- 事故の時に補償してくれる
- 事故後のやりとりがスムーズに進む
- 車のトラブル以外にも使える
という3つの役割があります。それぞれの役割が分かれば、自動車保険の重要性もみえてくるでしょう。
事故の時に補償してくれる
事故にあった時、自動車保険に入っていれば、保険会社が契約内容の範囲内で自分の代わりに支払いをしてくれます。
車の保険といえば、自賠責保険が思い浮かぶかもしれません。自賠責保険は、車の購入時や車検の時に必ず加入する保険です。事故の際は自賠責保険からも支払われますが、補償は必要最低限しかありません。
事故にあうと高額な請求がくることもあり、自賠責保険だけでは足りないケースも想定されます。高額な請求がきた時に、自賠責保険ではまかないきれない部分を補償するのが自動車保険の役割です。
事故後のやりとりがスムーズに進む
自動車保険には示談交渉という事故解決に向けた交渉をしてくれるサービスがあるため、自動車保険に入っていれば、事故後の対応は保険会社がおこなってくれます。
事故後は警察や事故の相手、壊した物の所有者や車の修理業者など、様々な人たちへの対応が必要です。事故で精神的ダメージが大きいところに、慣れない対応が重なるのはかなりの負担となります。
事故対応のプロである保険会社に任せることで、やりとりがスムーズになり、加入者の負担を減らすことにつながります。結果、事故解決もスピーディーに進むでしょう。
車のトラブル以外にも使える
自動車保険には、車のトラブル以外を補償する特約もあります。
例えば個人賠償保険特約がついていれば、他人の物やお店の商品を壊してしまった等、車に関係のないところで賠償を請求された時にも自動車保険を使うことができます。
自動車保険の基礎知識
自動車保険の基礎知識として押さえておきたいポイントは3点です。
- 自動車保険とは
- 自賠責保険との違い
- 補償内容について
自動車保険選びの参考になるため、基礎知識は理解しておきましょう。
自動車保険とは
自動車保険とは、自動車に関連する事故があったときに損害を補償する保険です。自動車事故の損害を補償する保険は2種類あります。
- 自賠責保険(強制保険)
- 自動車保険(任意保険)
自賠責保険は被害者救済のために法律で制定された保険です。被害者の死亡やケガを一定金額まで補償します。法律で加入が義務付けられているため「強制保険」とも呼ばれ、入っていないと罰則があります。
一方、自動車保険は保険加入者のために、民間の保険会社が自賠責保険で足りない分を補償します。加入は任意のため「任意保険」とも呼ばれ、入っていなくても罰則はありません。
「自動車保険」というと、強制保険の自賠責ではなく、任意保険の方を指すのが一般的です。
自賠責保険との違い
自賠責保険と自動車保険の大きな違いは補償内容です。
自賠責保険は相手のケガや死亡に対する補償のみ。限度額はそれぞれ被害者1名につき以下のとおりです。
補償内容 | 補償限度額 |
---|---|
死亡 | 3,000万 |
後遺障害 | 4,000万 |
ケガ | 120万 |
自動車保険は自賠責保険の限度額を超えた部分を補償します。また、自賠責保険では補償されない加入者自身のケガや車、相手の物や車も補償範囲となります。
補償内容について
自動車保険の補償内容は3つに分けられます。
- 相手への補償
- 自分や同乗者への補償
- 自分の車の補償
1つ目の相手への補償は、さらに対人賠償と対物賠償に分けて考えましょう。
対人賠償で補償するのは、相手の「死亡」「後遺障害」「ケガ」などの「人」に関連する費用です。相手への治療費や慰謝料などは対人賠償から支払われます。
対物賠償は相手の車や壊した建物など、「物」に関わる費用を補償します。ガードレールや信号などの公共物を壊した場合、弁償費用が高くなると聞いたことはありませんか。公共物のような高額な弁償費用でも補償してくれるのが対物賠償です。
2つ目の自分や同乗者の「死亡」「後遺障害」「ケガ」は、人身傷害保険で補償されます。治療費だけでなく、ケガの治療のために仕事を休んでしまった場合の損害なども支払いの対象です。
3つ目の自分の車の損害は、車両保険で補償されます。車の修理費や盗難・当て逃げなどが補償の対象です。
車両保険は2種類あり、補償範囲の広い一般タイプと車対車の補償に限定されたエコノミータイプがあります。
自動車保険の入り方
自動車保険の入り方には
- 代理店型
- ダイレクト型(通販型)
の2通りがあります。それぞれの特徴を知ったうえで、自分に合っている方を選択しましょう。
代理店型
代理店型は人をとおして保険に加入する方法です。
見積もりの作成や保険会社ごとの違い、補償内容の説明などをすべて代理店の人にやってもらうことができます。代理店に仲介してもらう分、保険料はダイレクト型に比べると高くなります。
代理店型の保険に加入するには、車を買ったディーラーや中古車販売店か、タイヤ交換や車検などのメンテナンスを依頼しているお店の保険担当者へ相談する必要があります。
ダイレクト型(通販型)
自分で直接インターネットから保険に加入する方法です。
気兼ねなく何社でも検討でき、保険料を安く抑えることができます。しかし、補償内容の違いが保険に不慣れな人には分かりにくく、調べたり比べたりするのに時間がかかるという面があります。
ダイレクト型(通販型)の保険に加入するには、各保険会社のホームページで必要事項を入力して申し込み手続きをします。一括見積もりサービスを使うのも有効な手段のひとつです。
まとめ
車に乗るなら、自動車保険には入っておいた方が安心です。事故はいつ、どこで、誰の身にでも起こり得るもの。いくら気をつけていても、他の車にぶつけられて事故の被害者になってしまうこともあるのです。
事故が起こると、ケガをしたり車が壊れたり様々な被害がでます。被害の大きさは選べません。突然、多額の請求をされる立場になることも考えられます。
しかし、自動車保険に入っていれば、お金の面でも事故後の対応の面でも保険のプロが自分の代わりをしてくれます。相手への補償はもちろん、自分や同乗者も補償してくれます。事故内容にもよりますが、相手との交渉や警察とのやりとりも保険会社に任せられるので心配はいりません。
必要な補償をよく考え、万が一の時のために、自分に合った自動車保険に入りましょう。自動車保険に入っておけば、安心して車を運転できます。充実したカーライフをぜひ楽しんでください。
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